刹那に蕩ける虚無主義

Nihilism melting into a moment

人としてはそれなりに好きだよ

昨年の2月から同居してる人に、そろそろ同居をやめましょうか、とやっと言えた。

理由はこれ以上関係を悪くしたくないということ、それからものすごく忙しくてやることがたくさんあるあなたに何かしてあげたいなと思っても、結果としては迷惑をかけるばかりで、今の私が今のあなたにあげられるものが全く何にもないということ。

 

ものすごく久しぶりに2人で夕飯を食べて、私が先に寝てた布団に入ってきたその人に、好きじゃなくなった?って聞いたら"人としては""それなりに"好きだよ、と返ってきた。

 

性的にも好きじゃなくて人としてもそれなり程度の好意しか持てない人間と一緒に住むとは、自分の時間と心とに対する愚弄ではないかと思うけど、それでもあれこれ算段をして一緒に引っ越して猫を引き取ってくれたのは惰性だけではなくて、きっと私にははっきりと触ることのできないその人の優しさだったんだろうな、と想像する。

 

これから先は、もう人とすごくすごく近づくことはしないようにしたい。近くなれば、必ず依存して、遠からずその人を蔑ろにするようになる。自分がどこまでもそういう人間で、今までにどんなに後悔してもその根が変わってこなかったと思うから。

 

大学入ってから今まで、どういう感じで暮らしたいかわかんなくて苦しくて、生活も下手で、自分を見てくれてケアして助けてくれる誰かを見つけて、その優しさをすり潰してきた。

 

そういう人との人間関係を破壊したり決定的に変質させたりする度に、二度と繰り返しませんようにと戒めて、そして今日もまた同じことを願っている。

 

誰にもしがみつかずまたしがみつかせずに、通りがかりに穴に落ちてる人は引っ張り上げて、怪我してる人には手を当てて、自分でも困ったらその時近くにいる人に助けを求めて、元気どうしならすれ違い様にハイタッチして、興が乗れば手を取り合って踊って、そんな風にして出会いを良く良く味わった後は、互いに一人で歩いていけることを祈りあって祝いあって爽やかに手を振ることができますように。